印刷方式には、大きく分けて「オフセット印刷」と「オンデマンド印刷」があります。
書籍を作る場合、どちらを選ぶかはまず「部数」で判断します。
10数部〜150部程度…オンデマンド印刷(オフセット印刷にするとかなり割高)
500部以上…オフセット印刷(印刷が美しいうえに、1冊あたりの単価も安い)
150部から500部のあいだの部数の場合は、ページ数や仕様によってオフセットにするかオンデマンドにするか比較検討します。(部数が少ない場合は、簡易製本にして費用を抑えるなどの調整も可能です)
200部ぐらいの部数の場合、正直なところ、どちらの印刷を選んでも割高感があるので、思い切って400〜500部に増やしてオフセット印刷にしては…とご提案することもあります。
また、オフセット印刷の場合は部数が多くなればなるほど単価が安くなっていきます。500部作るのと1000部作るのと、印刷製本代は数万円しか違わないといったことも多々あります。
せっかく労力をかけて本を執筆され、出版されるのですから、少し多めに印刷することをおすすめする場合が多いですが、「たくさん在庫を抱えるのは困る」とおっしゃる方もいるので、一概には決められません。
では、それぞれの印刷の特徴を以下にまとめてみます。
オフセット印刷の特徴
- 版を作って印刷する
- 大部数の場合はオンデマンド印刷より1冊あたりの単価が安い
(書籍では概ね、500部以上ならオフセット印刷の方が安い場合が多い) - 印刷品質はオンデマンドより高く、細かな表現も可能
オンデマンド印刷の特徴
- 版を使わずデータから直接印刷する
(家庭用のコピー機の大型版のイメージ) - 少部数の場合はオフセット印刷より1冊あたりの単価が安い
(書籍では概ね、300部未満ならオンデマンド印刷のほうが安い場合が多い) - 印刷品質はオフセットには劣る
(写真や広い面積のベタ塗り、グラデーションなどは特に注意)
書店で売られている本はそのほとんどがオフセット印刷です。
やはり印刷はオフセットのほうが精細かつ、安定感があります。
色調もバリエーションが豊富で、表現できることが格段に増えます。
ただし、最近は技術が日進月歩しており、印刷物を普段から見慣れている人間が見ても「どっちかな?」と判断に迷うようなオンデマンド印刷も出てきています。
今後、オンデマンド印刷の品質はもっと上がり、費用もさらに安くなるだろうと言われています。