紙書籍・電子書籍・POD(プリントオンデマンド)の違い

紙書籍・電子書籍・POD(プリントオンデマンド)の違い

「紙書籍と電子書籍はわかるけど、PODって何?」とよく質問されます。

PODは電子書籍に続く新しい本の形態で、数年前から注目されるようになりました。

  • 電子
  • POD

は、それぞれどう違うのか、また、形態の違いによって
自費出版することにどういう影響があるのか、整理して考えてみました。

 

紙書籍マーク

紙書籍は、紙に印刷された
従来からある「本」のこと。

 

電子書籍マーク

電子書籍は、データの状態で
売られている「本」のこと。

 

PODのマーク

プリントオンデマンド(POD)は、注文ごとに
1冊ずつ印刷する「本」のこと。

 

どれがいい、悪いということではなく、それぞれの特徴を知ることで、
「自分はどんな本が出版したいのか」を明確にしていくことができると思います。

 

紙書籍は、紙に印刷された従来からある「本」のこと。

 

出版や販売のハードルが高く、費用もかかるが、効果や満足度は高い。

以前は「本」といえば紙書籍のことでしたが、電子書籍が出てきて区別しにくくなったため、「紙書籍」や「紙の本」などといった言い方がされるようになってきました。

 

紙書籍のいいところは、1冊ずつ、本の内容に応じたデザインがされ、紙が選ばれ、完成形として手に取れる製品になっているということではないかと思います。

 

例えば、詩集や歌集、句集などでは、ハードカバーのしっかりした造りで、豪華な和紙調の紙やキラキラした紙が選ばれることがよくあります。詩や短歌、俳句そのものだけでなく、本の造りや紙、デザイン全体でひとつの作品になっているわけです。

エッセイや小説などの文章主体の本でも、表紙デザインだけではなく本文の「文字の種類」や「行間」、配置など、細かな部分まで本のイメージや対象読者層に合わせて決定していきます。

全体に意識統一された完成度の高い本は、とても美しく、読みやすいものになります。

 

ビジネスツールとしても紙書籍は強いと言えます。

例えば、カウンセラーの方が、「たくさんの人にカウンセリングの必要性を知ってもらい、自分の得意分野の話も読んでもらってクライアントを増やしたい」と考えて自費出版されたとします。

費用的にもっとも手軽なのは電子出版ですが、電子書籍で出版された場合、まず、読んでもらえるのが「電子書籍を読める環境(パソコンやタブレット、スマホなど)を持っている人」に限定されてしまいます。自動的に対象読者が減ってしまうのです。さらに、「電子出版では信用度が上がらず、あまり出版した効果を感じない」という話をよく聞きます。やはりまだまだ、紙書籍を出版することに対する信用度は、他の形態に比べてずいぶん高いと言えます。

 

その代わりにといっては何ですが、印刷費や紙代がかかる分、他の形態よりは費用がかさみます。それから、印刷にかかる日数分、出来上がるまでに時間がかかります。

いちばんハードルが高いのは流通です。自費出版物を書店で販売するには多くの費用がかかることがほとんどです。なかには書店に並べるための費用がそれほどかからない出版社もありますが、その場合は印税が通常の自費出版に比べると低く設定されていることと思います。書店に並べることができても売れる保証はありません。これで儲けるのは至難の業と言えます。著作が人の目に触れるための広告というふうに考えたほうがよいかもしれません。

でも、とても売れた自費出版物もありますので、可能性はゼロではありません。書店で販売せずに、アマゾン(インターネット書店)のみでの販売であれば、比較的低価格で実現できます。

 

逆に、「販売しない」という選択肢があるのが紙書籍の良さで、納得のいく本をつくって知り合いに配る、名刺代わりに配るといった使い方ができます。後述しますが、電子書籍やPODは「販売する」ことが前提の出版です。

 

 

 

電子書籍は、データの状態で売られている「本」のこと。

 

出版や販売のハードルが低く、費用もあまりかからないぶん、信用度も低い。

電子書籍はウェブ上で、データとして販売されます。基本的に「販売する」ことが前提の出版形式ですが、無料配信も一部可能です。

 

ちょっと強引にまとめてしまうと、本の内容や構成を練って文章や写真、図を用意したら、データにし、それをウェブに上げる。これで電子出版は完了します。

紙書籍と比較すると、とてもシンプルな工程になるため、費用は安く済みます。そして、販売までのハードルも紙書籍のように高くはありません。

 

ウェブ上にはさまざまな電子書籍の書店があり、データの形式にもいくつかあり、書店によって推奨するデータ形式が違うのが現状です。

また、それぞれの書店ごとに販売・登録するためのルールがあって、ひじょうに煩雑なので、そういったことをまとめてやってくれる卸業者(取次)もたくさんあります。

 

たくさんの書店で売りたい、卸業者と契約したいということであれば多少の費用はかかりますが、アマゾンのKDP(キンドル・ダイレクト・パブリッシング)などを利用すれば、自分で執筆し、Wordでデータを作って出版してしまうこともできます。すなわち無料で出版できます。

安く(無料で)出版できる割には印税率が高いため、売れると儲かる可能性があります。

 

ただし、プロによる内容確認や文章表現チェック、文字校正がないままの出版は、品質に問題があることがとても多いので要注意です。ビジネスツールにしたいと考えている場合は特に、出版することで信頼を下げてしまうような逆効果にもなりかねません。電子出版であっても、プロの目を通したほうがよいと思います。表紙デザインについても同様で、できればプロに頼みたいところです。

 

電子書籍は読む環境やデータ形式によって、文字を大きくしたり小さくしたり、自分の読みやすいように変えることができるというメリットがありますが、デザインにこだわりたい人にはあまり向いていません。マンガ、実用書、啓発書などが電子書籍では人気があります。

 

また、紙書籍の項にも書いたとおり、電子書籍は読んでもらえるのが「電子書籍を読める環境(パソコンやタブレット、スマホなど)を持っている人」に限定されるので、対象読者が少なくなります。さらに、「電子出版だけではあまり出版した効果を感じない」という話をよく聞きます。

 

 

プリントオンデマンド(POD)は、注文ごとに1冊ずつ印刷する「本」のこと。

 

出版や販売のハードルは紙書籍ほど高くなく、電子書籍ほど低くない。費用も信用度も、紙書籍と電子書籍の中間ぐらい。

プリントオンデマンド(POD)は、まだあまり一般に浸透していませんが、ウェブ上で販売されていて、注文ごとに1冊ずつ印刷し、製本して届くという形態の出版物です。

 

購入する側から見ると、購入してから届くまでにそれほど時間もかからないので、ウェブで紙書籍を買うのと同じような感覚です。

著者側から見ると、販売前に数百〜数千もの書籍を印刷しなくてよいので、初期費用としての印刷費がかからず、在庫を抱えるリスクもありません。

販売するには出版社や業者との契約が必要なため、電子出版ほどお手軽にはできませんが、紙書籍ほどハードルは高くありません。

 

PODで本を販売しているウェブ書店は数社ですが、それぞれ印刷に特徴があり、同じデータでも仕上がりの本の印象はずいぶん違います。

また、見た目という点において、通常の紙書籍と違うところはかなりあります。

  • カバーや帯がついていない
  • 見返しがない
  • 印刷品質はそれほど高くない

など、海外のペーパーバックのような本になります。デザインにこだわって素敵な本を作りたいという人には向きません。

 

それから、1冊ごとに印刷費をウェブ書店に支払う必要があるので、販売したときの利益が電子書籍や紙書籍ほど高くありません。

紙の本が作りたいけれど初期費用を抑えたい、デザインにはあまりこだわらないという方に向いています。

 

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Contents

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