WEB連載

 

サンパギータ 日本のフィリピン女性たち(奈良雅美)

サンパギータ 日本のフィリピン女性たち
by 奈良雅美(Masami Nara)

日本に定住するフィリピン女性はおよそ19万人。これほど多くのフィリピン女性が長年日本で暮らしているというのに、日常の姿はあまり浮かび上がってきていない。日本語中心の社会の中で、自分の考えや思いを発することが難しいのだ。

フィリピン女性たちは日本でどんな経験をし、何を感じ、暮らしているのか。いったいこの国は、彼女たちの目にどう見えているのか? 個々の経験や思いを聞き取り、代弁しようと思う。

そこには、外国人の人権問題、ジェンダー問題など、今後さらなる多文化社会を生きていくことになる日本にとって必要な視点がたくさん詰まっているはずだ。

 

  • サンパギータ 日本のフィリピン女性たち(奈良雅美)
      <サンパギータFile.1> けいちゃんの場合 新しいステージへ(前回のつづき)   ●私らしく生きる 最近、すっかりハマってしまったことがあります。 それは宝塚歌劇です。知人 …
  • サンパギータ 日本のフィリピン女性たち(奈良雅美)
      <サンパギータFile.1> けいちゃんの場合 新しいステージへ   今? すごくやりがいを感じています。 一生家族を支えるために働く、結婚しないと決意したあのころには、想像も …
  • サンパギータ 日本のフィリピン女性たち(奈良雅美)
      <サンパギータFile.1> けいちゃんの場合 父への憤り(前回のつづき)   ●母に教えてもらった「学ぶ喜び」 他方で、母は私にさまざまなことを教え諭してくれました。 今でも …
  • サンパギータ 日本のフィリピン女性たち(奈良雅美)
      <サンパギータFile.1> けいちゃんの場合 父への憤り(前回のつづき)   ●父への期待と落胆 私が結婚して、長男が生まれる時には日本に母を招きました。 初めての出産でなに …
  • サンパギータ 日本のフィリピン女性たち(奈良雅美)
      <サンパギータFile.1> けいちゃんの場合 父への憤り(前回のつづき)   ●借金を重ねる父 父は家に戻ってきましたが、結局1年ぐらいは「家出」していました。 でも家出して …
  • サンパギータ 日本のフィリピン女性たち(奈良雅美)
      <サンパギータFile.1> けいちゃんの場合 父への憤り   父はいても、いないのと同じ。 家族への責任感も思いやりもない父。 家族を支えるために、私が働かざるを得ない状況に …
  • サンパギータ 日本のフィリピン女性たち(奈良雅美)
      <サンパギータFile.1> けいちゃんの場合 貧しかった子ども時代(前回のつづき)   ●年齢を偽って就職 私は学校を15歳でやめて、就職しようとしました。 フィリピンの法律 …
  • サンパギータ 日本のフィリピン女性たち(奈良雅美)
      <サンパギータFile.1> けいちゃんの場合 貧しかった子ども時代(前回のつづき)   ●働かない父に代わって 父は、小学校1年までしか学校へ通っていません。 父のきょうだい …
  • サンパギータ 日本のフィリピン女性たち(奈良雅美)
      <サンパギータFile.1> けいちゃんの場合 貧しかった子ども時代   子どものころ、私は貧しさから悔しい思いをたくさんした。 自分はまだいい。だけれど妹や弟に辛い思いをさせ …
  • サンパギータ 日本のフィリピン女性たち(奈良雅美)
    2021-06-18
    • masami_nara
    • WEB連載
    第12話 けいちゃん「学びたい」2
      <サンパギータFile.1> けいちゃんの場合 学びたい(前回のつづき)   ●人の力になりたい この46歳から47歳にかけての1年は、私の人生にとって大きな分かれ目になった年 …
  • サンパギータ 日本のフィリピン女性たち(奈良雅美)
    2021-06-10
    • masami_nara
    • WEB連載
    第11話 けいちゃん「学びたい」1
      <サンパギータFile.1> けいちゃんの場合 学びたい   もう怖くない。 言葉が読めるようになったから。人が話していることを理解できるようになったから。 自分の気持ちを、考 …
  • サンパギータ 日本のフィリピン女性たち(奈良雅美)
      <サンパギータFile.1> けいちゃんの場合 私の仕事〜再び社会とつながる(前回のつづき)   ●一人でどこでもいける フィリピンで暮らしているときも、私は職場と家の往復がほ …
  • サンパギータ 日本のフィリピン女性たち(奈良雅美)
      <サンパギータFile.1> けいちゃんの場合 私の仕事〜再び社会とつながる(前回のつづき)   ●通訳の仕事への転機 10年勤めた弁当作りの会社を辞めたのは、偶然のタイミング …
  • サンパギータ 日本のフィリピン女性たち(奈良雅美)
      <サンパギータFile.1> けいちゃんの場合 私の仕事〜再び社会とつながる(前回のつづき)   ●実家への仕送りの問題   日本人と結婚しているフィリピン女性から耳 …
  • サンパギータ 日本のフィリピン女性たち(奈良雅美)
      <サンパギータFile.1> けいちゃんの場合 私の仕事〜再び社会とつながる   日本は自分の居場所ではない、自分の国ではない。どこかで私はそう思っていました。 だから、できる …
  • サンパギータ 日本のフィリピン女性たち(奈良雅美)
      <サンパギータFile.1> けいちゃんの場合 私の日本の家族(前回のつづき)   ●フィリピンと日本をつないでくれる家族 フィリピンへは年に2回、家族全員で帰省しています。 …
  • サンパギータ 日本のフィリピン女性たち(奈良雅美)
      <サンパギータFile.1> けいちゃんの場合 私の日本の家族(前回のつづき)   ●夫と二人の息子 うちは、家族の仲がとてもいいです。二人の息子は、それぞれの道を自分で選び歩 …
  • サンパギータ 日本のフィリピン女性たち(奈良雅美)
      <サンパギータFile.1> けいちゃんの場合 私の日本の家族(前回のつづき)   ●日本での子育て もともと子どもがすごく好きなので、自分の子どもができたとき、とても嬉しかっ …
  • サンパギータ 日本のフィリピン女性たち(奈良雅美)
      <サンパギータFile.1> けいちゃんの場合 私の日本の家族(前回のつづき)   ●日本での暮らしが始まる   それから少し経って、私は再び日本に降り立ちました。 …
  • サンパギータ 日本のフィリピン女性たち(奈良雅美)
      <サンパギータFile.1>けいちゃんの場合 「けいちゃん」は日本人の男性と結婚して、日本にやってきたフィリピン女性だ。 本名があまりに長いため、夫の母が名前の中ほどにあった「ケイ」をと …
  • サンパギータ 日本のフィリピン女性たち(奈良雅美)
    2021-03-05
    • masami_nara
    • WEB連載
    第1話 はじめに
      はじめに フィリピンの国の花はジャスミンだ。フィリピンの言葉タガログ語で「サンパギータ」という。 日本人にとっての桜が特別な花であるように、フィリピンの人々はジャスミンを教会に飾ったり、 …


<著者プロフィール>奈良雅美プロフィール写真
奈良雅美(なら・まさみ)
特定非営利活動法人アジア女性自立プロジェクト代表理事。関西学院大学非常勤講師。ときどきジャズシンガー。

小学生のころから「女の子/男の子らしさ」の社会的規範に違和感があり、先生や周りの大人に反発してきた。10代半ばのころ、男女雇用機会均等法が成立するなど、女性の人権問題について社会的に議論されるようになっていたが、自身としてはフェミニズムやジェンダー問題については敢えて顔を背けていた。高校時代に国際協力に関心をもち国際関係論の勉強を始め、神戸大学大学院で、環境、文化、人権の問題に取り組む中で、再びジェンダーについて考えるようになった。
 大学院修了後、2004年より特定非営利活動法人アジア女性自立プロジェクトの活動に参加。途上国の女性の就業支援、日本国内の外国人女性支援などに取り組む中で、日本に住むフィリピン女性たちに出会う。社会一般の彼女たちに対する一様なイメージと違い、日々の生活の中で悩んだり喜んだりと、それぞれ多様な「ライフ」を生きていると感じ、彼女たちの語りを聴き、残したいと思うようになる。移住女性や途上国の女性の人権の問題について、より多くの人に知って欲しいと考え、現在、ジェンダー問題、外国人や女性の人権などをテーマに全国で講演も行っている。