紙書籍にするか、電子書籍にするか

学術図書や大学テキストの出版というと、これまでは紙書籍がほとんどでした。

しかし、ここ数年で学校現場ではオンライン化が一気に進み、今後は電子書籍が大きくシェアを伸ばすと言われています。

 

紙書籍マーク

紙書籍は、紙に印刷された
従来からある「本」のこと。

 

電子書籍マーク

電子書籍は、データの状態で
売られている「本」のこと。

 

それぞれにメリットとデメリットがあるので、どちらを選ぶのか(あるいは両方にするのか)を考える必要があります。

 

紙書籍のメリットとデメリット

 

出版や販売のハードルが高く、費用もかかるが、効果や満足度は高い。

以前は「本」といえば紙書籍のことでしたが、電子書籍が出てきて区別しにくくなったため、「紙書籍」や「紙の本」などといった言い方がされるようになってきました。

 

紙書籍のいいところは、1冊ずつ、本の内容に応じたデザインがされ、紙が選ばれ、完成形として手に取れる製品になっているということではないかと思います。
表紙デザインだけではなく、本文の「文字の種類」や「行間」、配置など、細かな部分まで本のイメージや対象読者層に合わせて決定していきます。
全体に意識統一された完成度の高い本は、とても美しく、読みやすいものになります。

また、研究実績としてのご出版は、まだまだ電子書籍よりも紙書籍のほうが強いように思います。そして、全国のリアル書店でも購入できるようにしたい場合は、必然的に紙書籍を選択することになります。

 

紙書籍のデメリットは、印刷に大きな費用がかかるため、出版のハードルが高いことです。いかに出版を実現するかについて、さまざまな工夫が必要になります。

研究成果公開促進費(学術図書)の申請についてはこちらをご覧ください。
その他の公費等をご利用の際もお気軽にこちらからお問い合わせください。
また、見込み販売部数等によっては小社にて商業出版も可能です。

 

 

電子書籍のメリットとデメリット

 

出版や販売のハードルが低く、費用もあまりかからないぶん、信用度も低い。

電子書籍はウェブ上で、データとして販売されます。基本的に「販売する」ことが前提の出版形式です。

 

内容を精査し、表現をブラッシュアップするところまでは紙書籍と変わりがありませんが、その後の工程が紙書籍と比較するとシンプルになるため、制作費用は安く済みます。だからこそ、販売までのハードルは紙書籍のように高くはありません。これが電子書籍の大きなメリットです。

 

ウェブ上にはさまざまな電子書籍の書店があり、金木犀舎では、その多くの書店で販売可能です。

電子書籍は読む環境やデータ形式によって、文字を大きくしたり小さくしたり、自分の読みやすいように変えることができるため、ユーザビリティに優れています。
そして、もしも本の中で致命的な間違いなどが見つかった場合には、発行したあとでの修正も可能です。

 

デメリットとしては、リアル書店での販売ができないため、紙書籍ほどには実績としての影響が大きくないと思われることと、「いつでも修正できる」という意識が働いて、紙書籍ほどには内容をブラッシュアップできていない書籍がたくさん販売されているため、それらの書籍と同列で扱われてしまう可能性があることです。