All Himeji Arts & Life Forum

『All Himeji Arts & Life Forum』表紙(日比野克彦・杉本博司・中谷芙二子・チームラボ・隈研吾・姫路市立美術館)

『All Himeji Arts & Life Forum』表紙(日比野克彦・杉本博司・中谷芙二子・チームラボ・隈研吾・姫路市立美術館)

述:日比野 克彦・杉本 博司・中谷 芙二子・チームラボ・隈 研吾
企画:姫路市立美術館

発行:金木犀舎
ISBN 978-4-909095-37-4 C0070
A5判・並製・56ページ
2023年3月27日発売
定価 1,430円(本体価格1,300円+税)

 


●書籍紹介

姫路市立美術館(兵庫県)が中心となり、2021年から4年間、国際的に活躍する5組のアーティスト(日比野克彦・杉本博司・中谷芙二子・チームラボ・隈研吾)を迎えて開催されている「オールひめじ・アーツ&ライフ・プロジェクト」。
その最初の年(2021年)に開かれた「オールひめじ・アーツ&ライフ・フォーラム2021」でのアーティストたちのトークとその作品群について、1冊の書籍にまとめました。

●もくじ

■ 姫路市長 清元秀泰 メッセージ
■「オールひめじ・アーツ&ライフ・プロジェクト」と姫路市立美術館
■ オールひめじ・アーツ&ライフ・フォーラム 2021アーティストトーク
日比野克彦
杉本博司
中谷芙二子
チームラボ
隈研吾
■ 文化観光拠点計画認定記念特別展「日本の心象 刀剣、風韻、そして海景」
■ 美術館の可能性を拓く「姫路市立美術館を中核とした文化観光推進拠点計画」をめぐって

●本文イメージ

『All Himeji Arts & Life Forum』サンプル(日比野克彦・杉本博司・中谷芙二子・チームラボ・隈研吾・姫路市立美術館)

『All Himeji Arts & Life Forum』サンプル3(日比野克彦・杉本博司・中谷芙二子・チームラボ・隈研吾・姫路市立美術館)

All Himeji Arts & Life Forum p32-33

All Himeji Arts & Life Forum p38-39

『All Himeji Arts & Life Forum』サンプル4(日比野克彦・杉本博司・中谷芙二子・チームラボ・隈研吾・姫路市立美術館)

All Himeji Arts & Life Forum p48-49

All Himeji Arts & Life Forum p58-59

 

●はじめに

「オール ひめじ・アーツ&ライフ ・プロジェクト」と姫路市立美術館
姫路市立美術館 館長 不動美里

〈前略〉

オールひめじ(All Himeji)は、全姫路の・姫路全体のを意味し、アーツ&ライフ(Arts and Life)は、人間が技と叡智を結集して生み出してきた多様な芸術(Arts)と生きとし生けるものの生命活動(Life)の関係を包括的に指します。

姫路を代表する文化資源と言えば、まず近世城郭建築の粋・姫路城、千年の仏教文化の殿堂・書寫山圓教寺、そして宮山古墳をはじめ数多の古墳群がよく知られています。このプロジェクトによって当館は、美的な価値や芸術的創造性という美術館ならではの専門的視座から、これら著名な国指定の重要文化財群はもちろんのこと、海・島・山・森林・田園、豊かな風土に恵まれた姫路全域が擁する有形・無形の地域文化を射程に、様々な分野の第一線で国際的にご活躍中のアーティストを招き、この地に生き、また訪れる多くの人々とともに、多様なライフの輝きを放つアートの営みを推進して参ります。

とりわけ2021(令和3)年から4ヵ年、本プロジェクトは文化観光推進法に基づく「姫路市立美術館を中核とした文化観光推進拠点計画」の基軸に位置づけられており、姫路の二大文化資源である姫路城と書寫山圓教寺をつなぎ、有形・無形の文化資源の現代的価値を創出・発信する文化芸術クラスター形成に資することが期待されています。〈中略〉

姫路のローカリティの創造的発信を目指すこの4ヵ年のプロジェクトは、毎年5本のプログラム(フォーラム、美術館庭園アートプロジェクト、圓教寺での長期滞在型公開制作、美術館での個展、美術館所蔵品とのコラボレーション展)を次の5人のアーティストに託し、実践的に積み重ねていくものです。〈中略〉

一連のプロジェクトが目指す、明日を生きる叡智と希望を汲み上げる創造活動の主役は、世代を超えてこの地に思いを寄せて、訪れてくださる皆様ご自身です。天空を白鷺が飛ぶ優美な姿に譬えられる世界文化遺産・国宝姫路城に寄り添い、凛とたたずむ「赤レンガの美術館」にいつでも気軽にお越しください。

 


●著者プロフィール

◎「オールひめじ・アーツ&ライフ・プロジェクト」参加アーティスト

日比野 克彦(HIBINO Katsuhiko)

1958年、岐阜県生まれ。2022年4月より、東京藝術大学学長。岐阜県美術館、熊本市現代美術館館長。日本サッカー協会・社会貢献委員会委員長。1982年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業、1982年日本グラフィック展大賞受賞。1984年、東京藝術大学大学院美術研究科修了。1986年シドニービエンナーレ参加。1995年、第46回ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館出品作家に選出される。2016年、芸術選奨文部科学大臣賞(芸術振興部門)受賞。地域の特性を生かし表現として生み出すアートプロジェクト「明後日新聞社 文化事業部/明後日朝顔プロジェクト」(2003~)「アジア代表日本」(2006~)「瀬戸内海底探査船美術館」 (2010~)「種は船航海プロジェクト」(2012~等。2015年からは障害の有無、世代、性、国籍、住環境などの背景や習慣の違いを超えた多様な人々の出会いによる相互作用を、表現として生み出すアートプロジェクト「TURN」を監修。2017年度より東京2020公認文化オリンピアードとして実施している。2017年度より「アート×福祉」をテーマに「多様な人々が共生できる社会」を支える人材を育成するプロジェクト「Diversity on the Arts Projects(通称:DOOR)」(2017~)を監修。

 

杉本博司(SUGIMOTO Hiroshi)

1948年東京生まれ。1970年に渡米、1974年よりニューヨーク在住。活動分野は写真、建築、造園、彫刻、執筆、古美術蒐集、舞台芸術、書、作陶、料理と多岐にわたり、世界のアートシーンにおいて地位を確立してきた。杉本のアートは歴史と存在の一過性をテーマとし、そこには経験主義と形而上学の知見をもって、西洋と東洋との狭間に観念の橋渡しをしようとする意図があり、時間の性質、人間の知覚、意識の起源、といったテーマを探求している。世界的に高く評価されてきた作品は、メトロポリタン美術館(NY)やポンピドゥー・センター(パリ)など世界有数の美術館に収蔵。代表作に『海景』、『劇場』、『建築』シリーズなど。
2008年に建築設計事務所「新素材研究所」を設立。MOA美術館改装(2017)、清春芸術村ゲストハウス「和心」(2019)などを手掛ける。2009年に公益財団法人小田原文化財団を設立。2017年10月には構想から20年の歳月をかけ建設された文化施設「小田原文化財団 江之浦測候所」をオープン。伝統芸能に対する造詣も深く、演出を手掛けた『杉本文楽 曾根崎心中』公演は海外でも高い評価を受ける。2019年秋には演出を手掛けた『At the Hawkʼs Wel(l 鷹の井戸)』をパリ・オペラ座にて上演。主な著書に『苔のむすまで』、『現な像』、『アートの起源』、『空間感』、『趣味と芸術-謎の割烹味占郷』、『江之浦奇譚』、最新刊に『杉本自伝 影老日記』。1988年毎日芸術賞、2001年ハッセルブラッド国際写真賞、2009年高松宮殿下記念世界文化賞(絵画部門)受賞。2010年秋の紫綬褒章受章。2013年フランス芸術文化勲章オフィシエ叙勲。2017年文化功労者。

 

中谷 芙二子(NAKAYA Fujiko)

1933年、北海道札幌市生まれ。父は世界の雪氷学を率いた実験物理学者・中谷宇吉郎 (1900-1962)。1957年、アメリカ・イリノイ州ノースウェスタン大学を卒業。初期の絵画制作を経て、ロバート・ラウシェンバーグらが結成した芸術と技術の実験グループ「E.A.T.」に参加。その活動の一環として1970年の大阪万博ペプシ館で、初めての「霧の彫刻」を発表。また、1970年代には日本におけるメディア・アートを先導。社会を鋭く見つめたビデオ作品の制作や、海外作家との交流を推進し、1980年「ビデオギャラリーSCAN」を東京・原宿に創設。日本の若手ビデオ作家の発掘と支援に尽力した。
霧の作品は、世界各地で90を超える。2017年にはロンドンのテート・モダン新館で新作を発表。同年、フランス芸術文化勲章コマンドゥール受勲。2018年、第30回高松宮殿下記念世界文化賞彫刻部門を受賞した。2018-19年には水戸芸術館で初めての大規模な個展を開く。続いて日本、アメリカ、ドイツ、フランスで次々に新作を発表。2021年4月に開館した長野県立美術館の前庭に、霧の彫刻《-Dynamic Earth Series I-》が常設された。
2022年、ミュンヘンのハウス・デア・クンストで、大規模な回顧展を開催している。2022年から2024年にかけ、姫路市立美術館「オールひめじ・アーツ&ライフ・プロジェクト」コア・アーティストとして、庭園アートプロジェクトを展開する。2022年10月文化功労者に選出。2023年2月ウルフ賞芸術部門受賞。

 

チームラボ(teamLab)

猪子寿之 チームラボ代表。1977年生まれ、徳島市出身。2001年東京大学工学部計数工学科卒業と同時にチームラボ創業。大学では確率・統計モデルを、大学院では自然言語処理とアートを研究。
チームラボは、 アートコレクティブ。2001年から活動を開始。集団的創造によって、アート、サイエンス、テクノロジー、そして自然界の交差点を模索している国際的な学際的集団。アーティスト、プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、数学者、建築家など、様々な分野のスペシャリストから構成されている。
チームラボは、アートによって、自分と世界との関係と新たな認識を模索したいと思っている。人は、認識するために世界を切り分けて、境界のある独立したものとして捉えてしまう。その認識の境界、そして、自分と世界との間にある境界、時間の連続性に対する認知の境界などを超えることを模索している。全ては、長い長い時の、境界のない連続性の上に危うく奇跡的に存在する。
ニューヨーク、ロンドン、パリ、シンガポール、シリコンバレー、北京、メルボルンなど世界各地でアート展を開催。ミュージアム・大型常設展を東京・お台場「チームラボボーダレス」、東京・豊洲「チームラボ プラネッツ」、上海「teamLab Borderless Shanghai」、マカオ「teamLab SuperNature Macao」などで開館した他、今後もハンブルク、ユトレヒトなどでオープン予定。

 

隈 研吾(KUMA Kengo)

1954年生まれ。東京大学大学院建築学専攻修了。東京大学教授を経て、現在、東京大学特別教授・名誉教授。1964年東京オリンピック時に見た丹下健三の代々木屋内競技場に衝撃を受け、幼少期より建築家を目指す。大学では、原広司、内田祥哉に師事し、大学院時代に、アフリカのサハラ砂漠を横断し、集落の調査を行い、集落の美と力にめざめる。コロンビア大学客員研究員を経て、1990年、隈研吾建築都市設計事務所を設立。これまで30ヵ国を超す国々で建築を設計し、日本建築学会賞、フィンランドより国際木の建築賞、イタリアより国際石の建築賞、他、国内外で様々な賞を受けている。その土地の環境、文化に溶け込む建築を目指し、ヒューマンスケールのやさしく、やわらかなデザインを提案している。また、コンクリートや鉄に代わる新しい素材の探求を通じて、工業化社会の後の建築のあり方を追求している。

 

企画:姫路市立美術館

 


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